ご挨拶

九州大学の産学官連携の更なる発展を目指して

福田晋センター長

産学官連携の重要性は、我が国、ひいては世界から新技術・新産業を生み出すための活動として、世界共通の認識事項です。科学技術の発展を顧みれば、学問に裏付けられた技術が本物であり、このような技術しか生き残っていません。また、新技術創成の過程で生み出される基礎学問は、人類の共通財産になると共に、学生さんや若い企業の皆さんの人材育成等にも大きく寄与します。その意味で、産学官連携の仕組みを上手く構築し、次世代の新産業に必要な技術を生み出すことに大きな期待が寄せられています。

本学では、1994年に民間企業等に対する産学官連携の窓口として先端科学技術共同研究センターを設置しました。また、1999年にリエゾン部門とプロジェクト部門の体制に再編しました。さらに、2003年に九州芸術工科大学との統合に伴い、デザイン総合部門を加えて、組織名を「産学連携センター」に変更しました。その後、第5期の科学技術基本計画においてイノベーションの重要性が打ち出されるとともに研究開発の重点化を従来の分野に基づくものから課題解決を目指したものへと大きな変更がなされたことに対応して、2016年にアドバンストプロジェクト部門とKOINEプロジェクト部門で構成されるグローバルイノベーションセンター(GIC)へと改組しました。このように、GIC及びその前身組織は、その時々の社会からの要請に従って、本学の産学官連携及びオープンイノベーションを牽引してきました。

2020年度からは、総長のリーダーシップにより、本学の教育・研究の更なる発展に向けて産学官連携組織が如何にあるべきか、GICも含めた大学の産学官連携組織が集まり協議を進めてまいりました。その結果、2022年4月、産学官連携活動を支援することで本学の教育・研究の向上を目指す「オープンイノベーションプラットフォーム」を設置しました。その中で、GICのKOINE部門の機能はオープンイノベーションプラットフォームに移管することになりました。また、アドバンストプロジェクト部門については、1999年以降全学の産学共同研究及びオープンイノベーション研究を主導することをミッションとして活動を進めてきましたが、設置から25年近く経って、産学共同研究は全学にほぼ定着している状況となっていることから、その機能は2024年度以降で総合理工学研究院および芸術工学研究院に移管され、両研究院の産学官連携機能の強化に繋げる方向性となりました。

GICは、前身となる先端科学技術共同研究センターが設置されてから30年間、本学の産学官連携及びオープンイノベーションを牽引してきました。そして、GICは本学の産学官連携及びオープンイノベーションの更なる発展に向けて、2023年度で発展的解消することになりました。2024年度以降は、これまでにGICが保有してきた機能、蓄積してきた知見及びネットワーク等は大学全体の産学官連携支援組織であるオープンイノベーションプラットフォーム、総合理工学研究院および芸術工学研究院に引き継がれることになります。

これまで長年にわたりGICに戴きました多大なるご支援・ご協力に心から感謝申し上げますと共に、今後とも変わらぬお引き立てのほどよろしくお願い申し上げます。

九州大学グローバルイノベーションセンター長/理事・副学長

福田 晋

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