最先端・次世代研究開発支援プログラム グラフェン研究 (九州大学 吾郷)


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1.研究の背景
現代の半導体デバイスの多くはシリコンを材料として作製されていますが、微細化による集積化が限界に近付きつつあると懸念されています。周期表でシリコンと同じ族にあたる炭素は、シリコンよりも高速に移動できる電子を有し、多様な結合状態をもって機械的に柔軟(フレキシブル)であることから次世代のデバイス材料として注目されています。

2.研究の目標
炭素からなる非常に薄いシート状物質であるグラフェンと呼ばれる材料に主に着目し、それを高度に制御して作製・加工する方法を開発します。さらに、新規な物性の発現や次世代を担う新デバイスへと発展させることを目指します。

3.研究の特色
炭素の合成技術を駆使して、超高品質のグラフェンや、ナノリボンと呼ばれる細長いグラフェンの作製を試みます。それと同時に、炭素原子ならではの精密な加工法や評価技術の開発を行います。特に、エピタキシャル成長と呼ばれる規則構造をもたせた合成法を採用する点がユニークなところです。また、カーボンナノチューブについても、これまでの研究成果をさらに発展させた研究を計画しています。


4.将来的に期待される効果や応用分野
身近にありながら大きな可能性を有する炭素を利用した「カーボンエレクトロニクス」という新分野で世界をリードすることが期待されます。さらに、本研究の成果が、低消費電力型のデバイスや高効率でフレキシブルな太陽電池などへと応用され、低環境負荷社会の実現に貢献できると考えています。





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